医院ブログ

2024.04.09更新

インビザラインのマウスピースの正しい洗い方と注意点を解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

インビザライン矯正をする人

インビザライン矯正では、透明のマウスピースを装着して少しずつ歯に力を加えて、歯並びを整えます。マウスピースは取り外せますが、毎日20~22時間装着することを前提としているため、マウスピースの管理は大切です。

今回は、インビザライン矯正のマウスピースの正しい洗い方や、洗う際の注意点、洗う頻度について解説します。

インビザラインのマウスピースを洗わないと

インビザラインのマウスピースを洗わないとどうなるか疑問の女性

そもそもインビザライン矯正のマウスピースを洗う必要があるのか、疑問に思う方もいるでしょう。「食事や歯磨きのとき以外はほぼ1日中装着するのだから、洗う必要はない」と思う方もかもしれません。

マウスピースを洗わないでおくと、徐々に汚れがたまっていき細菌の温床となります。汚れたマウスピースを装着することで、虫歯や歯周病になってしまうこともあるでしょう。

虫歯や歯周病の治療を優先するため、矯正治療を中断せざるを得ないこともあります。そうなると、動いた歯が後戻りして、初めから矯正治療をやり直す必要があるでしょう。

マウスピースに汚れがついたまま装着していると、口臭の原因になったり着色することもあります。マウスピースは透明であるため、目立ちにくいことがメリットです。

しかし、汚れがついて着色すると白く濁ったようになり、口を開けた際に目立つようになるかもしれません。

マウスピースを洗浄すれば元のように使えるようになればよいのですが、最悪の場合使用できなくなることもあります。不衛生なままマウスピースを放置するとカビが生えることがあります。カビが生えたマウスピースは使い続けられません。

また、歯垢がマウスピースに付着したまま放置し、ある程度の時間が経過すると歯石に変化します。マウスピースに歯石が付着すると、歯石が邪魔してマウスピースが歯にフィットしなくなります。

適切な矯正力がかからなくなるので、治療が計画どおりに進まなくなるでしょう。

インビザラインのマウスピースの正しい洗い方

インビザラインのマウスピースを洗う人

インビザライン矯正を滞りなく進めるためにも、マウスピースを清潔に保つことは非常に大切です。取り外した時がお手入れのタイミングなので、正しい方法でしっかり洗浄しましょう。

マウスピースをゆっくりと取り外す

マウスピースを傷つけると傷に細菌が付着しやすくなります。破損して歯にぴったりと密着しなくなることもあるでしょう。

そのため、力を入れずにマウスピースの先端を持ち上げて、片方ずつ奥歯からゆっくりと外してください。

また、外したマウスピースを保管する際は、専用のケースなどに入れておきましょう。ティッシュに包んだりして放置すると、紛失したり破損したりすることがあります。

指や柔らかい歯ブラシで擦り洗いする

マウスピースを取り外したら、流水を使って指で擦り洗いしましょう。指だけでは取り除けない汚れがある時は、毛先が柔らかい歯ブラシを使ってやさしく洗ってください。

洗浄剤を使用する

マウスピースの黄ばみや汚れが気になる場合は、マウスピース専用の洗浄剤を使用しましょう。洗浄剤は、成分や洗浄タイプによって使い分けましょう。

漂白活性化剤が配合された洗浄剤は黄ばみ汚れに効果があり、酵素が配合された洗浄剤は食べかす由来のタンパク質汚れを分解します。

つけ置きタイプは、製品や汚れ具合に応じて5〜30分程度つけておく必要があります。泡タイプやスプレータイプは、1~5分ほどで洗浄可能です。外出する際に使いたい場合は、泡タイプやスプレータイプがよいでしょう。

マウスピースを乾燥させる

洗浄後、マウスピースをすぐに装着しない場合はマウスピースを自然乾燥させてください。乾燥機などに入れるとマウスピースが変形する可能性があるので避けてください。

また、マウスピースは透明なので紛失しやすいです。マウスピースを保管する場所は決めておきましょう。

インビザラインのマウスピースを洗うときに注意すること

インビザラインのマウスピースを洗うときに注意することイメージ

マウスピースは薄く柔らかいので、破損しやすいです。洗浄する際は以下の点に注意してください。

60度以上のお湯は使用しない

マウスピースを洗浄する際は、必ず水かぬるま湯を使ってください。マウスピースはプラスチックでできているため、60度以上のお湯で洗うと変形する可能性があります。煮沸消毒も厳禁です。

マウスピースは、治療計画に沿って患者さまの歯並びにぴったり合うように一つひとつ作製されています。少しでも変形すると歯が動かなくなることもあるので、洗浄する前に温度を確認してください。

高温にさらされるとマウスピースの変形につながるため、ドライヤーの温風で乾かしたり乾燥機に入れたりすることも避けましょう。

アルコール消毒はしない

マウスピースを除菌したい場合は、マウスピース専用の洗浄剤を使用してください。アルコールを使用すると、マウスピースの変形・変色につながることがあります。

マウスピースを傷つけない

マウスピースは柔らかく薄いため、表面が傷ついてしまうこともあります。歯ブラシを使って磨く時は、毛先が柔らかいもので優しく擦りましょう。

指でこすり洗いする際も力をいれすぎないように注意してください。傷がつくだけではなく、割れてしまうこともあります。

洗浄剤はマウスピース用のものを使用する

洗浄剤には入れ歯用もありますが、マウスピース用とは成分が異なります。必ずマウスピース用を選択してください。

入れ歯用の洗浄剤を使用すると、透明のマウスピースが白濁する可能性があります。

研磨剤入りの歯磨き粉は使用しない

研磨剤入りの歯磨き粉を使用すると、マウスピースの表面に傷がつく可能性があります。インビザラインのマウスピースは1〜2週間で交換するため、歯磨き粉を使用しなければならないほど汚れることは基本的にありません。

汚れが気になるときは洗浄剤を使用するなど、歯磨き粉の使用は避けたほうがよいでしょう。

インビザラインのマウスピースを洗う頻度

インビザラインのマウスピースを洗う頻度のイメージ

インビザライン矯正のマウスピースは、毎食後に洗浄することが推奨されています。食事の際には必ず外すので、その際に洗浄すると清潔な状態を維持できるでしょう。

外出の際に綺麗に洗浄できないことがあったとしても、少なくとも1日1回はしっかりとお手入れしてください。十分に洗浄できていない状態でマウスピースを装着した時は、洗浄できる環境になった時点で歯磨きとマウスピースの洗浄を行いましょう。

しかし、毎食後しっかりと洗浄するのは難しい方が多いのではないでしょうか。その場合は、就寝前のお手入れを徹底するよう意識してください。

就寝中は唾液の分泌量が減って虫歯や歯周病のリスクが高まります。丁寧に洗浄して、これらのリスクを避けましょう。

また、通常の水洗いや歯ブラシによる洗浄に加えて、定期的に洗浄剤を使用するとより清潔に保てます。洗浄剤の使用頻度は製品によって異なりますが、1週間に1〜2回程度のものが多いでしょう。使用方法も製品によって異なるので、説明書に従って使ってください。

まとめ

インビザラインのマウスピース

インビザライン矯正を滞りなく進めて理想の歯並びを得るためには、マウスピースを正しく管理することが非常に重要です。面倒に感じることもあるかもしれませんが、虫歯や歯周病のリスク、治療期間の延長などを避けるために正しい洗い方を理解して実践しましょう。

インビザライン矯正中に、マウスピースが傷ついたり破損したり、紛失したりなど、不測の事態が起きた場合はできる限り早めに歯科医院に相談してください。

インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.04.02更新

セラミックの歯が痛む・しみる5つの原因!対処法とケア方法も解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミックの歯がしみる女性

セラミックの歯を入れた後に、歯が痛んだりしみたりすることはありませんか。治療後の歯に違和感があると、不安になることでしょう。

セラミック治療の後に痛んだりしみたりする原因を知っていれば、落ちついて対処できるかもしれません。

本記事では、セラミックの歯が痛んだりしみたりするときに考えられる原因や、対処法について解説します。

セラミックの歯が痛む・しみる5つの原因

歯の神経

セラミック治療をした後の歯が痛む場合は、次の原因が考えられます。

・神経が過敏になっている
・噛み合わせがあっていない
・歯ぎしりや食いしばりの癖がある
・破損している
・二次カリエス(二次う蝕)が発生している

それぞれの痛みが起こる理由について確認しましょう。

神経が過敏になっている

セラミック治療を行う場合、神経を取るケースと神経を残すケースがあります。神経を残してセラミックの歯を入れた場合、しばらくの間神経が過敏になり痛むことも少なくありません。

セラミックの歯は強度が高いですが、銀歯に比べると弱いです。セラミックの詰め物や被せ物の強度を十分に保つためには、銀歯を入れるときよりも天然歯を多く削って詰め物・被せ物を厚く作らなければなりません。

歯を多く削ると神経に刺激が伝わりやすくなり、冷たいものや熱いものを食べたり噛んだりしたときに痛みが出ます。治療による一時的な痛みの場合が多く、1週間程度で落ちつくことが多いでしょう。

噛み合わせがあっていない

噛み合わせが合っていないと、噛んだときに痛みを感じることがあります。噛み合わせは本当に繊細で、強く当たっている箇所が一部あるだけで痛みが起こります。

新しい歯を入れるときに一度で完璧に噛み合わせを合わせるのは難しく、少しずつ様子を見ながら調整することが多いです。

また、セラミックの歯を入れた直後は調子がよくても、時の経過とともに噛み合わせが変わっていくこともあるでしょう。セラミックはほとんどすり減りませんが、天然歯は日常の使用で少しずつすり減るためです。

歯ぎしりや食いしばりの癖がある

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯に負担がかかり痛みが出ることがあります。特に、就寝時やストレスを感じたときに、気づかないうちに歯ぎしりや食いしばりをしている方は少なくありません。

集中している時などに、歯を食いしばっていないかを確認してみてください。パートナーやご家族などに、歯ぎしりや食いしばりをしていないか聞いてみるのもよいでしょう。

破損している

セラミックの歯が破損している可能性も考えられます。特に、オールセラミックは、セラミック素材を100%使用して作られた詰め物・被せ物で、他の素材に比べると衝撃に弱いです。

硬いものを噛んだ瞬間に割れるリスクが高いです。セラミック歯が破損したことで、神経に刺激が伝わると痛みが出るでしょう。

二次カリエス(二次う蝕)が発生している

二次カリエスとは、過去に虫歯の治療を行った歯が再び虫歯になることです。二次カリエスが進行すると、痛みを感じるでしょう。

セラミックの歯は虫歯になりにくいとはいえ、絶対に虫歯にならないわけではありません。口腔ケアが不適切だった場合などは、気づかないうちに二次カリエスになっていることがあります。

例えば、歯磨きの際に歯ブラシの毛先がきちんと当たっていない場所があると、細菌が同じ箇所に溜まって虫歯になります。セラミックの歯が破損していると、段差ができて汚れや細菌が溜まりやすくなるでしょう。

セラミックの歯が痛む・しみる場合の対処法

歯の治療

セラミックの歯が痛んだりしみたりする場合は、できるだけ早く歯科医院を受診してください。セラミックの歯が破損していたり二次カリエスになっていたりするケースの場合、放置していて改善されることはありません。

とはいえ「歯科医院へ行くまでの間どうすればいいの?」「歯科医院ではどんな処置をするの?」と疑問に思う方もいるでしょう。本項目では、セラミックの歯が痛んだりしみたりする場合の対処法を解説します。

刺激を避ける

痛みを感じた際は、できるだけ刺激を与えないようにしましょう。

・極端に熱いものや冷たいものを避ける
・硬い食べ物を避ける
・セラミックの歯では噛まない

神経が過敏になっているケースでは、刺激を避けて様子を見ると症状が落ちつく場合があります。また、刺激を避けることで、神経がより過敏に反応するのを防げるでしょう。

噛み合わせを調整する

噛み合わせが合っていない場合は、噛み合わせを調節すると痛みが治まります。強く当たりすぎているところや、高すぎるところを少しだけ削り、当たりすぎないようにします。

噛み合わせが合っているかいないかをご自身で判断するのは難しいため、歯科医院で確認してもらうことが大切です。

治療をする

二次カリエスになっている場合や、セラミックの歯が破損しているケースでは、できるだけ早く処置をすることが大切です。

二次カリエスになったケースでは、一度セラミックの歯を取り外して虫歯の治療を行います。セラミックを取り外す際はセラミックを削ることがあり、虫歯部分も削るため同じセラミックの歯を再装着することはできません。

破損している場合も同様に、セラミック歯を新しく作り直す必要があるでしょう。

マウスピースを作成する

食いしばりや歯ぎしりの癖があることが判明した場合、まずは噛み合わせの調整をします。強く当たりすぎている箇所があると、食いしばりや歯ぎしりの症状が出やすいからです。

また、マウスピース(ナイトガード)の作成も行うのが一般的です。マウスピースを入れることで、セラミックの歯だけでなく顎の骨や他の歯にかかる負担も減らせます。

筋肉が緊張するのを防げるので、肩こりや頭痛が軽減することも少なくありません。

セラミックの歯の適切なケア方法

セラミックの歯のケアをする女性

セラミックの歯の平均寿命は10年から15年で、基本的には長く使用できます。よい状態を持続するためには、適切なケアが欠かせません。

本項目では、セラミック歯の適切なケア方法についてご紹介します。

セルフケアをする

セラミックの歯を長く使うためには、セルフケアが欠かせません。セラミックの歯は、銀歯やレジンなどの素材に比べるとツルツルとしていて汚れが溜まりにくいメリットがあります。

とはいえ、天然歯がツルツルしていても歯磨きをしないと虫歯や歯周病になるのと同じく、セラミックの土台の歯も手入れしなければ虫歯や歯周病になります。

次のように、正しい歯ブラシの方法を身につけましょう。

・自分の口のサイズや歯の形に合った歯ブラシを選ぶ
・歯ブラシの毛先が歯面に当たっているのを確認し、小さく小刻みに動かす
・フロスや歯間ブラシ、タフトブラシを併用する

どんなにブラッシングが上手でも、歯と歯の間や歯と歯茎の境目などに溜まった細かい汚れを落とすのは不可能です。フロスやタフトブラシを併用しましょう。

自分の口にあった歯ブラシの選び方や、他のツールの使い方については、歯科医院のブラッシング指導で教えてもらえます。

定期検診を受ける

定期検診で、セラミックの歯を始め、歯周病や虫歯がないかなど口腔状態をチェックすることも大切です。虫歯や歯周病は、初期段階では自覚症状が少なく気づかないケースも珍しくありません。

定期検診を受けていれば、万が一歯の病気が見つかったり、噛み合わせやセラミック歯に問題があったりした場合も適切に対処できます。セラミックの歯だけでなく、口の中の健康を保持するためには欠かせません。

まとめ

セラミックの歯の女性

セラミックの歯が痛んだりしみたりする際は、神経が敏感になっていたり、噛み合わせが合っていなかったり、さまざまな原因が考えられます。どの原因で痛みやしみる症状が出ているかによって対応方法が異なります。

セラミックの歯に違和感があったときは、できるだけ早く歯科医院を受診し処置してもらいましょう。また、セラミックの歯や口の中をよい状態に保つためにも、普段からの口腔ケアや定期検診を意識してください。

セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.03.26更新

出っ歯はインビザラインで治せる?メリットや期間、費用も解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

インビザライン矯正をする出っ歯の女性

出っ歯の治療を目立たずおこなう方法として、インビザラインを検討している方もいるのではないでしょうか。インビザラインは、透明なマウスピースを使用して歯を移動させる方法です。

治療中であることが目立たない、痛みが少ないなどの理由から、選択されることが多い治療法です。

この記事では、インビザラインでの出っ歯の治療について解説します。出っ歯にお悩みの方や、矯正治療を検討している方、インビザラインで出っ歯を治せるのか気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

出っ歯とは?

出っ歯のイメージ

出っ歯は、上の前歯が大きく前に突き出た状態を指します。出っ歯は口元の印象だけでなく、横顔にも影響を及ぼします。

出っ歯によってもたらされるデメリットは、以下の通りです。

・一部の発音が難しくなる
・食べ物を噛み切りにくくなる
・虫歯や歯周病のリスクが高まる

出っ歯で発音が悪くなる理由は、歯を噛み合わせたときにできる隙間から息が漏れやすいからです。とくにサ行やタ行、ラ行の発音に影響を与えるといわれています。

通常の状態では、下の前歯を上の前歯が軽く覆っており、上下の歯には1〜2mmほどのすき間があります。出っ歯の状態ではこのすき間が大きくなるので、食べ物を噛み切ることが難しくなるのです。

また、歯が正しく噛み合っていない場合、噛む力が均等に分散されないので噛む力が弱まることもあるでしょう。つまり、出っ歯の人は噛む力を最大限に発揮できない可能性があるのです。

虫歯や歯周病のリスクが高くなる理由は、口の中が乾燥しやすいからです。出っ歯の状態では口を閉じにくいため、空気が口へ入り乾燥につながります。

乾燥すると唾液の自浄作用や殺菌作用がうまく働かず、虫歯や歯周病の原因となる菌が繁殖しやすくなります。そのため、出っ歯の場合は虫歯や歯周病のリスクが高くなるのです。

出っ歯はインビザラインで治せる?

出っ歯はインビザラインで治せるか疑問の女性

インビザラインでは、出っ歯の治療症例が多くあります。

しかし、個々の症状や原因によって治療の適否は異なります。歯科医師と相談し、適切な治療方法を選択することが大切です。

インビザラインで治療可能な出っ歯と、できない出っ歯について解説します。

インビザラインで治せる出っ歯

歯の傾斜による出っ歯は、インビザラインで治せるでしょう。歯が斜めに傾いていることが原因の出っ歯の場合は、歯の傾きを改善すれば出っ歯も改善されるので治療可能な場合が多いです。

インビザラインで治せない出っ歯

上顎の位置などが原因で出っ歯に見えている場合は、インビザラインだけでの改善は難しいでしょう。顎の骨の発達に問題があることや、上下の顎の骨の位置関係に問題があることが原因の出っ歯は、歯を移動させるだけでは改善できません。

インビザラインをはじめ、矯正治療では顎の骨の位置は調整できないためです。骨格にアプローチする外科手術が必要になるでしょう。

出っ歯をインビザラインで治すメリット

出っ歯をインビザラインで治すメリットイメージ

出っ歯をインビザラインで治すメリットは、以下のとおりです。

・治療中であることが目立たない
・食事や歯磨きがしやすい
・痛みが少ない
・シミュレーションで治療結果を予測できる

インビザライン矯正では透明なマウスピースを使用するため、目立ちにくいです。金属のブラケットやワイヤーを使用する矯正方法と比較すると、人目を気にする必要がなく自然な笑顔を保てるでしょう。

インビザラインは食事のときは取り外し可能で、歯磨きも通常通りおこなえます。マウスピースの汚れ原因の虫歯や歯周病も予防しやすいのです。

ワイヤー矯正と比べるとインビザラインは口内への違和感や痛みが少ないことも特徴です。インビザラインでは徐々に歯を動かすので、ワイヤー矯正よりも強い力がかかりにくいためです。

また、インビザラインでは事前にシミュレーションをおこない、治療結果を予測します。治療の進捗を把握しやすく、モチベーションを保ちやすいのです。

出っ歯をインビザラインで治すデメリット

出っ歯をインビザラインで治すデメリットイメージ

出っ歯をインビザラインで治すデメリットは、以下のとおりです。

・費用がかかるケースがある
・マウスピースを管理しなければならない
・効果が出るまで時間がかかる

インビザラインだけで治療できない場合は、相場よりも費用がかかるかもしれません。重度の出っ歯の場合、顎の骨格を調整する外科手術や抜歯が必要となり、インビザラインだけでは治療できないことがあるのです。

インビザラインのマウスピースは外せるため、自己管理が必要です。詳しくは後述しますが、装着時間や交換時期を守らなければ十分な効果を得られません。また、マウスピースを洗浄せずに使用し続けると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

ワイヤー矯正と比較すると、インビザラインはゆっくりと歯を動かす治療法です。そのため、口元の突出感を改善できるまでに時間がかかる可能性もあるでしょう。

出っ歯をインビザラインで治す方法

インビザライン矯正

インビザラインでは、少しずつ形状が異なるマウスピースを何枚も使用して歯並びを改善します。最も大切なのは、1日20〜22時間マウスピースを装着することでしょう。

1枚のマウスピースで歯を動かせる距離は最大0.25mmほどなので、1〜2週間に一度マウスピースを交換して歯を移動させていきます。装着時間と交換時期を守ることが、治療をスムーズに進めるために重要です。

出っ歯を治療する場合は、抜歯が必要なこともあるでしょう。その場合は、抜歯してからインビザラインの治療計画を立てることが多いです。歯の側面をわずかに削って歯を並べるスペースを作るIPRを行うこともあります。

どのような場合でも、歯科医師としっかり相談しながらご自身が納得できる計画を立てて治療を進めましょう。

出っ歯をインビザラインで治すためにかかる期間

出っ歯をインビザラインで治すためにかかる期間イメージ

出っ歯をインビザラインで治療するためにかかる期間には個人差がありますが、一般的には6か月から2年程度です。治療範囲が広ければ治療期間は延びるでしょう。

歯の動きやすさや装着時間にも個人差があります。子どもであれば顎の骨が柔らかく代謝が活発なため歯が動きやすいですが、大人になるにつれ歯の移動が遅くなる傾向があるのです。

また、マウスピースの装着時間や交換時期を守らなければ、治療期間が延びる原因になります。インビザライン中に虫歯や歯周病になった場合も、治療を優先するケースが多いので矯正期間が延びるでしょう。

出っ歯をインビザラインで治すためにかかる費用

出っ歯をインビザラインで治すためにかかる費用イメージ

出っ歯の治療にかかる費用にも個人差があります。部分矯正の場合は約30万円〜50万円、全体矯正の場合は60万円〜120万円ほどかかるでしょう。

インビザラインの費用は、使用するマウスピースの枚数の影響を大きく受けます。歯の移動本数・距離が多ければ多いほどマウスピースが多く必要になるので、費用も増加するでしょう。

歯の移動状況や口内の問題の有無を確認するために1ヶ月に一度受診する必要がありますが、その際も調整料がかかるケースが多いです。そのため、治療期間が長くなれば調整料を支払う回数が増えます。

費用の負担を抑えるためには、マウスピースの装着時間や交換時期を守り、治療を長引かせないことが非常に重要です。口内を清潔に保って虫歯や歯周病も予防しながら、治療を進めてください。

まとめ

インビザライン治療をする女性

出っ歯は、基本的にはインビザラインで治療できます。インビザラインは他の矯正方法と比べると目立たず、痛みや違和感が少ないことから選択したいと考える方が多いでしょう。

しかし、インビザラインだけでは治療できない出っ歯もあります。歯を並べる十分なスペースがない症例や、顎の骨格に問題がある症例は、インビザラインだけでは改善できないでしょう。

ワイヤー矯正を併用したり、顎のバランスを整える外科手術が必要になったりすることもあります。この場合、インビザラインの一般的な治療期間よりも時間がかかり、費用も高額になるでしょう。

治療にかかる費用は症例によって異なりますが、歯科医師と相談しながら適切な治療プランを立てましょう。

インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.03.19更新

セラミック治療では歯を削ることがある?削る量や痛みについても解説

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミックの歯

セラミック治療は、天然歯に近い質感と色をもつセラミック素材を使用し、歯の形状や色調を改善する治療法です。

セラミック治療では天然の歯とセラミックの歯を適切にフィットさせるために、歯を削ることがあります。削る歯の量は、使用するセラミックの種類や治療する歯の状態によって異なります。

この記事では、セラミック治療で歯を削る理由や削る歯の量、また痛みについて詳しく解説します。

セラミック治療では歯を削ることがある?

セラミックの歯を削る

セラミック治療では、虫歯治療とラミネートベニアの治療過程で歯を削ることがあります。それぞれ以下に解説します。

虫歯治療

虫歯を取り除いたあとに、虫歯の大きさに応じて、インレー(詰め物)かクラウン(被せ物)としてセラミックが用いられます。

セラミックは銀歯などの金属より割れやすい素材です。耐久性を高めるためには厚く作る必要があるため、結果として歯をより多く削る必要があるのです。

虫歯治療自体は審美目的ではありませんが、セラミックは保険適用外のため費用が高くなることがあります。

ラミネートベニア

ラミネートベニアとは、歯の表面を軽く削り、セラミック製の薄いシェルを貼り付ける審美治療です。

矯正治療やホワイトニングと比較して、短期間で歯の見た目を変えることができるのが大きな特徴です。ラミネートベニアは、歯の色や形を改善したい方に推奨されます。

セラミック治療で歯を削るメリット

セラミック治療で歯を削るメリットイメージ

セラミック治療で歯を削るメリットは、以下の通りです。

セラミックの密着性が高まる

虫歯治療でセラミックを使用する場合、はじめに虫歯になっている部分を削って除去します。単に虫歯を取り除いただけでは土台が不安定であり、被せ物や詰め物の適合性が低いため、外れることがあるでしょう。

また、虫歯は一定の形で広がるわけではなく、時に複雑な形状をしていることがあり、それに合わせた被せ物や詰め物を作る必要があります。

歯を削ることによって、天然歯と被せ物・詰め物が密着しやすくなります。被せ物・詰め物が天然歯にしっかりと密着することで、汚れや細菌が侵入しにくくなるため、二次虫歯のリスクを低減することにもつながるでしょう。

ラミネートベニアをより自然に美しく装着できる

ラミネートベニアは、歯の表面をわずかに削り、その上に0.4mm程度の薄いセラミック製の板を貼りつける治療法です。歯を削らずにラミネートベニアを装着すると、歯の厚みが増すことで違和感が生じる可能性があります。

歯を削ることでラミネートベニアを自然に見せることができ、また違和感なく装着できるのです。

セラミックを長期間使用できる

セラミックは耐久性が高く、変形・破損しにくいため、10〜15年程度使用できるといわれています。

セラミックを含む被せ物や詰め物の寿命は、歯との適合性に大きく左右されます。歯を削ることで、被せ物や詰め物を隙間なくフィットさせることができ、適合性が高まることで被せ物や詰め物を長期間使用することができるのです。

セラミック治療で歯を削るデメリット

セラミック治療で歯を削るデメリットイメージ

セラミック治療で歯を削るデメリットは、以下の通りです。

知覚過敏を引き起こす場合がある

セラミック治療で歯を削ると、神経を保護する層が減少します。これにより、外部からの刺激が神経に伝わりやすくなり、結果として知覚過敏のリスクが高まるのです。

歯を削る行為は見た目の改善につながるものの、このような副作用が伴うことを理解しておく必要があります。

削った歯の寿命が短くなる可能性がある

歯を削ってセラミック治療を行うことで見た目を天然歯のように美しくし、耐久性を高めることができますが、天然歯を一度削ると、その部分が元に戻ることはありません。歯を削ることで、天然歯の寿命が短くなる可能性があります。

天然歯は、いかに優れた人工歯と比較しても、その価値と機能性を超えるものは存在しないため、わずかな量を削ることでさえも、慎重に検討する必要があります。

神経を抜かなければならない場合がある

セラミック治療で歯を大きく削ったときに神経にまで達すると、痛みが生じることがあります。場合によっては神経を抜かなければならないケースもあるでしょう。

神経を抜くということは歯の内部血管も取り除くことを意味し、結果として歯に栄養が供給されなくなります。これにより、歯の強度が低下すると、将来的に歯が弱くなるリスクがあります。

セラミック治療で削る歯の量はどれくらい?

セラミック歯を削るイメージ

セラミック治療で削る歯の量は、セラミックの種類によって異なります。

削る歯の量について、種類ごとに解説します。

セラミックインレー

セラミックインレーは、セラミックのみで作られた詰め物です。神経まで進行していない虫歯を治療する際に使用されます。

セラミックインレーの場合、被せ物治療と比べると削る歯の量が少なく、多くても1mm程度です。虫歯の部分のみを削るため、健康な部分を保ちつつ治療ができます。

セラミッククラウン

セラミッククラウンは、セラミックのみで作られた被せ物です。天然歯に近い色調を再現できるため、審美性に優れています。

セラミッククラウンを適応する際、どれだけ歯を削る必要があるかは、患者さんの症状によって異なりますが、耐久性を高めるために歯を大きく削る必要があるでしょう。

虫歯が深くにまで進行している場合には、セラミッククラウンが選択されることが多いです。

e-max

e-maxは、ガラス系の材料で作られるセラミッククラウンで、その透明度の高さと自然な見た目が特徴です。e-maxは天然歯と同等の強度を持っているため、破損することはほとんどありません。

e-maxを使用する場合、歯を大きく削る必要が少なく、削る量は歯のどの部位であっても1〜1.5mm程度です。これにより、患者さんの負担を軽減しながら、美しく自然な仕上がりを期待できます。

ジルコニア

ジルコニアは、高い透明性と強度から「人工のダイヤモンド」とも称されるセラミック素材です。ジルコニアの場合、削る歯の量は位置によって異なりますが、前歯や臼歯では1.0〜1.5mm程度、臼歯の咬合面は最大で2mm程度削る必要があります。

耐久性が高く、長期間使用できるというメリットがありますが、削る歯の量が多いことを理解しておきましょう。

メタルボンド

メタルボンドは、内側は金属、外側はセラミックでできた被せ物です。自然な色調を再現できますが、透明性には限界があります。

削る歯の量は、一般的に0.8〜1.2mm程度であるものの、咬合面や切縁面は2mm程度削る場合が多いです。内側が金属であるため、金属アレルギーを引き起こす可能性がある点は注意しなければなりません。

ラミネートベニア

ラミネートベニアは、色調を改善する目的で薄いセラミック製の板を歯に貼り付ける方法です。

この治療法では、薄いセラミック製の板を均一に貼り付けるため、支台歯を薄く削る必要があります。エナメル質が残るように慎重に削らなければならず、削る量は0.3〜0.5mm程度です。

この微細な調整により、自然な見た目を保ちつつ、色調の改善を目指せます。

歯を削るときに痛みはある?

歯が痛い男性

歯を削る際の痛みは、歯の構造と虫歯の進行度に大きく依存します。歯は表面のエナメル質、その下の象牙質、そして中心にある歯髄(神経のある部分)の3層から成り立っています。エナメル質に虫歯が留まっている場合は、削ってもほとんど痛みは感じません。

しかし、虫歯が象牙質に達している場合、削ると痛みを感じやすくなるため、麻酔を使用して痛みを抑える必要があります。さらに、虫歯が歯髄まで達している場合は、麻酔が必要です。

麻酔をする際は、針を刺入する部分に表面麻酔を塗布するため、痛みはほとんどありません。多くの場合、注射を受けたことすら感じないほどです。

まとめ

セラミックの歯

今回は、セラミック治療では歯を削ることはあるのか解説しました。

セラミック治療では、審美性と機能性を高めるために歯を削ることがあります。歯を削って治療を行うことで、天然歯とセラミックが密着しやすくなるなどのメリットがあるのです。

しかし、削った歯は元に戻ることはありません。神経を抜かなければならない場合や歯の寿命が短くなる場合もあるでしょう。

歯を削ることによるメリットやデメリットをよく理解し、歯科医師と相談しながら最適な方法を選択することが重要です。

セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.03.12更新

インビザライン矯正で行うIPRとは?目的やデメリットを詳しく解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

インビザライン治療をする女性

インビザライン矯正でガタガタした歯並びや出っ歯を改善する場合、IPRという処置を行うことがあります。IPRとは、歯の側面をわずかに削ることで、歯と歯の間に隙間を作る処置のことです。

歯を削ると聞くとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、麻酔のいらない安全な処置なのでご安心ください。

今回は、インビザライン矯正で行うIPRについて詳しく解説します。IPRを行う目的ややり方についても解説しますので、インビザライン矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インビザライン矯正で行うIPRとは?

歯を削る人

インビザライン矯正で行うIPRとは、Inter-Proximal(隣接面)Reduction(削減)の略で、歯の側面を削って歯と歯の間に隙間を作ることです。

歯の側面を削ると聞くとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、IPRでは歯の表面であるエナメル質をごくわずかしか削りません。そのため、IPRが原因で歯がしみたり痛んだりすることはほとんどないでしょう。

また、麻酔も必要ないため、患者さんの負担も少なく、安全性の高い処置だといえます。

インビザライン矯正でIPRを行う目的

インビザライン矯正でIPRを行う目的を説明

IPRを行う目的は、歯を並べるスペースを確保し、効率的にインビザライン矯正を進めることです。また、インビザライン矯正後に歯の形を微調整することで、審美面の改善も期待できます。

そこでここでは、インビザライン矯正でIPRを行う目的について解説します。

歯を並べるスペースの確保

ガタガタした歯並びや出っ歯などの場合、歯を並べるスペースが足りないことで歯並びが悪くなっている場合が多いといえます。このような歯並びを改善するには、歯を並べるスペースが必要です。

IPRで歯と歯の間に隙間を作ることで歯を並べるスペースを確保できるため、効率的にインビザライン矯正を進められます。

歯の大きさ・形の改善

歯の大きさや形には個人差があります。人によっては一部の歯だけが周りの歯よりも長かったり大きかったりすることがあるでしょう。

特に、前歯の大きさや形が揃っていない場合、インビザライン矯正で歯並びを整えても、患者さんの理想とする口元にはならないことがあります。このような場合、IPRで歯の形を微調整することで、理想の口元に近づけられるでしょう。

歯と歯茎の隙間の改善

IPRには、歯の見た目の改善以外に、歯と歯茎の隙間を改善する目的もあります。

加齢や歯周病で歯茎が下がったり、インビザライン矯正で歯を動かしたりすることによって、歯と歯茎の隙間に黒い三角形の隙間(ブラックトライアングル)ができることがあります。特に、歯と歯の重なりが大きい部位は、歯と歯茎の間に隙間ができやすいといわれているのです。

歯と歯茎の間に隙間ができると歯が長く見えるため、見た目がよくありません。また、食べかすが詰まりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが上がるでしょう。

このような場合、IPRで歯を削ることで歯が面で密着し、歯と歯茎の隙間を改善することができます。

インビザライン矯正でIPRを行うメリット

インビザライン矯正でIPRを行うメリットイメージ

インビザライン矯正でIPRを行うことで、以下のようなメリットがあります。

抜歯を回避できる

ガタガタした歯並びや出っ歯などの主な原因は、歯を動かすためのスペースが足りないことです。

このような場合、抜歯をしてスペースを確保することがありますが、IPRで複数本の歯を削ることでスペースを確保できれば、抜歯の必要はありません。抜歯を回避できるのは大きなメリットといえるでしょう。

ただし、IPRによって削ることができる歯の量には限りがあるため、歯の重なりが大きい場合には対応できない場合があります。

より美しい口元に仕上がる

美しい口元の条件は、正中(歯並びの真ん中)が合っており、上下左右の歯の大きさや形、バランスが左右対称であることです。歯の大きさや形には個人差があるため、一部分の歯だけが長かったり大きかったりすることも珍しくありません。

このような場合、IPRで歯の形を微調整することで、美しい口元に仕上がります。特に、見えやすい前歯がアンバランスな場合、歯の側面を微調整することで理想の口元に近づけられるでしょう。

治療期間を短縮できる

インビザライン矯正では治療前にシミュレーションを行います。治療計画の段階でIPRを行うタイミングや歯を削る量がわかるため、効率的にインビザライン矯正を進められます。マウスピースで歯を動かすこととIPRを同時に行えるため、治療期間を短縮できるでしょう。

また、インビザライン矯正は歯を動かす距離が長くなればなるほど、その分治療期間が長い傾向にあります。インビザライン矯正でIPRを行うことにより抜歯を回避できることで、その分治療期間が短くできるのもメリットのひとつです。

歯並びが安定しやすい

天然歯の歯と歯の間は、先端に近い部分で接触していますが、IPRで歯と歯の間を削ることで、歯の接触面積が大きくなります。歯の接触面積が大きくなることで、歯と歯が固定されて動きにくくなるため、インビザライン矯正後の歯並びが安定しやすくなるのです。

そのため、インビザライン矯正でIPRを行うことにより、後戻りを予防する効果があるでしょう。

インビザライン矯正でIPRを行うデメリット

インビザライン矯正でIPRを行うデメリットイメージ

IPRには効率的にインビザライン矯正が進められるというメリットがあるものの、以下のようなデメリットもあります。

健康な歯を削らなければならない

IPRにはさまざまなメリットがありますが、健康な歯を削らなければならない点は大きなデメリットといえるでしょう。

ただし、歯を削るといっても、虫歯治療のように歯に穴を空けたり大きく削ったりするわけではありません。歯の側面をごくわずかに削る程度であるため、IPRによって歯がしみたり痛んだりすることはほとんどないでしょう。

しかし、虫歯になっていない歯を削ることにかわりはないため、IPRを行う際は事前に歯科医師とよく話し合って検討することが大切です。

歯と歯の接触面積が大きくなる

インビザライン矯正でIPRを行うことで、歯と歯の接触面積が大きくなります。歯と歯の接触面積が大きくなることで後戻りを予防する効果があるものの、汚れが溜まりやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。

そのため、IPR後は歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシなどを使用し、歯と歯の間を丁寧に磨くように心がけましょう。

出血することがある

歯の根元部分や歯茎に近い部分を削ったときに出血することがあります。特に、歯肉炎などで歯茎の状態が悪い場合には出血しやすく、痛みが出ることもあるかもしれません。

しかし、IPRによる出血は処置を行った日に治ることがほとんどなのでご安心ください。

IPRの方法

 IPRの治療イメージ

インビザライン矯正でIPRを行うのは、歯を並べるスペースが足りない場合や審美的な問題がある場合です。

インビザライン矯正は、治療前に専用のソフト「クリンチェック」に歯型などの情報を取り込むことで、どの歯を削るのか、どの程度削るのかなどをシミュレーションできます。

IPRでは歯を削る際に以下の器具を使用します。

・テープ状のやすり(手動)
・ダイヤモンドディスク
・糸鋸状のやすり
・細いバー

まず、手で動かすタイプのテープ状のやすりや円盤状のダイヤモンドディスク、糸鋸状のやすりなどを使用して、徐々に歯を削り、歯と歯の間に隙間を作ります。その後、削る量を確認しながら細いバーでさらに歯と歯の間を広げます。

歯を削ると聞くと虫歯治療のイメージがあるかもしれませんが、IPRで歯を削る量はエナメル質の0.1~0.25mm程度とごくわずかです。両側の歯を削っても最大0.5mm程度ですので、IPRによって虫歯になりやすくなることはありません。

また、エナメル質の側面をごくわずかに削る程度であるため、歯がしみたり痛んだりすることもないでしょう。

IPRで歯を削った後は、歯の表面がなめらかになるよう丁寧に研磨し、フッ素塗布も行います。フッ素塗布を行うことで歯質の強化もできるため、虫歯予防の効果も期待できるでしょう。

IPRを行うタイミング

 IPRのタイミング

インビザライン矯正でIPRを行うタイミングは、状況によって異なります。

歯を並べるスペースが足りない場合にはインビザライン矯正前・矯正中にIPRを行います。仕上がりをより美しくするためにインビザライン矯正後にIPRを行う場合もあるでしょう。

まとめ

インビザラインのマウスピース

インビザライン矯正で行うIPRとは、歯と歯の間を削る処置のことです。IPRを行うことで、歯を並べるスペースを確保できたり、歯の形を整えられることでより美しい口元に近づけられたりします。

IPRを行うことで歯を動かすスペースを確保できれば、抜歯を回避して効率的に歯並びを整えられる場合もあるのです。

歯の側面を削ると聞くとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、IPRではエナメル質のごくわずかな部分のみを削ります。そのため、IPRが原因で歯がしみたり痛んだりすることはないでしょう。

インビザライン矯正でIPRが必要かどうかはお口の状態によって異なるため、歯科医師に確認しましょう。

インビザラインを検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.03.05更新

前歯をセラミックにするメリットとは?セラミックの種類や費用も解説

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

前歯をセラミックにした女性

前歯を天然歯のように白いセラミックにしたいという方は少なくありません。セラミックは見た目がよいだけではなく、さまざまなメリットがあります。

今回は、セラミックの特徴について解説しながら、費用や治療方法についても説明します。セラミックを検討している方は、参考にしてください。

前歯をセラミックにするメリット

セラミックの前歯

前歯は最も目につきやすい歯であると同時に、咀嚼するうえでも重要です。そのため、被せ物や詰め物をする際も、見た目と同時に機能性も十分に考慮しなければなりません。

歯に使われているセラミックは、お皿にも使われている陶器を歯科用に強化したものです。保険診療である銀歯やコンポジットレジンとは費用に大きな差がありますが、以下のようなメリットがあります。

天然歯のように白い歯に仕上がる

保険診療のコンポジットレジンは白い素材ですが、セラミックほどの透明感はなく、自然な白さも再現できません。セラミックは色味の選択肢が多く、他の歯と違和感がないような仕上がりにすることが可能です。

虫歯の再発を防ぎやすい

詰め物や被せ物は、素材によって耐久性が異なります。

銀歯の寿命は7年程度、コンポジットレジンの寿命は3年程度といわれており、徐々に劣化していきます。劣化していくと、詰め物・被せ物と天然の歯との接着面が緩んで隙間ができます。そこから虫歯菌が侵入することがあり、虫歯の再発につながるのです。

セラミックは耐久性が高く、劣化しにくい素材です。虫歯の再発を防ぎやすいので、結果的に天然歯の健康を守ることにもつながります。

金属アレルギーの方も入れられる

内側が金属になっているセラミックもありますが、金属不使用の素材もあります。そうしたセラミックを選択すれば、金属アレルギーの方でも安心して治療可能です。

また、金属は口腔内で少しずつ溶け出すので、歯茎が黒ずんでしまうことがあります。金属不使用のセラミックなら、そのようなリスクもありません。

着色汚れがつきにくく、歯垢も除去しやすい

コーヒーや紅茶、ワインなどを好んで頻繁に飲む場合、着色汚れが歯の表面に付着します。セラミックは着色汚れがつきにくいので、治療時の白さを保てるでしょう。

また、表面が滑らかなので、歯垢などの汚れが付着した場合も除去しやすいです。

前歯をセラミックにするデメリット

前歯をセラミックにするデメリットイメージ

前歯をセラミックにするとさまざまなメリットを得られますが、以下のようなデメリットもあります。

費用が高い

セラミック治療は自由診療であるため、保険診療の詰め物や被せ物と比較して非常に高額です。

しかし、セラミックは耐久性が高く、長く使える可能性が高いです。適切にメンテナンスしていれば、銀歯やコンポジットレジンのように数年で交換する必要はないでしょう。

コストパフォーマンスは低くないと言えます。

強い衝撃を与えると割れることがある

硬く強度の高いセラミックですが、強い衝撃が加わると割れてしまうことがあります。強い歯ぎしりや食いしばりがある方の場合、気をつける必要があるでしょう。

セラミックを守るために、就寝中にナイトガードを装着するなど対策しましょう。

歯を多く削る必要がある

上述したように、セラミックは割れるリスクがあります。強度を保つためには厚みが必要なので、銀歯と比較すると少し多めに天然歯を削ることになります。

少しでも多く自分の歯を残したいと考えている方にとっては、デメリットになるかもしれません。

前歯のセラミックの種類と費用

前歯のセラミックの種類と費用イメージ

セラミックの種類と費用を確認しましょう。

オールセラミック

100%セラミックでできているのがオールセラミックです。金属を一切使っていないので、金属アレルギーの心配はありません。

透明感と艶があり色味のバリエーションも多いため、自然な見た目に仕上がります。他のセラミックと比較しても審美性が高いため、前歯に使用されることが多いです。

詰め物の場合は4万~8万円、被せ物は8万~18万円が目安です。

ジルコニア

ジルコニアは、人工ダイヤモンドとも呼ばれている、セラミックの中で最も硬い素材です。オールセラミックは天然の歯と同じ程度の硬さですが、ジルコニアは天然歯よりも硬い素材のため、奥歯に使用されることも少なくありません。

オールセラミックが持つ透明感や艶、自然な美しさはありませんが、前歯に使用する方もいます。

費用の相場は、詰め物が4万〜6万円、被せ物が10万〜20万円です。

メタルボンド

メタルボンドは、金属の外側をセラミックで覆った素材です。セラミックは割れやすいので、内側を金属にすることで強度を保っています。金属アレルギーのリスクがありますが、どの部位にも使用できるセラミックといえるでしょう。

デメリットは角度によっては金属が見えてしまうことと、オールセラミックのような透明感や艶がないことです。

費用は、被せ物で8万〜15万円程度です。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンを混ぜ合わせた素材です。レジンよりも透明感があり、変色しにくいのが大きな特徴です。

しかし、レジンが含まれているため、強度や耐久性はそれほど高くありません。表面に細かい傷もつきやすいため、歯垢が溜まりやすく虫歯になりやすいといえます。

費用は他のセラミックと比較すると抑えられる傾向があり、詰め物は3万円前後、被せ物は4万〜8万円が相場です。

e-max(イーマックス)

e-maxは、二ケイ酸リチウムガラスを主成分とするセラミックです。天然歯以上に美しいといわれており、前歯に使用されることも多いです。

強度も天然歯と変わらず、長年使っても変色しにくいです。表面に細菌がつきにくいので、虫歯や歯周病も予防しやすいでしょう。

詰め物は4万〜6万円、被せ物は7万〜10万円が相場です。

前歯をセラミックにする治療の流れ

セラミック治療の相談

前歯をセラミックにする際は、以下のように治療が進みます。

カウンセリング

治療を行う前に、患者さまからのご希望を伺います。治療の内容や費用、治療期間などを説明します。

検査・型取り

患部の検査や型取りをします。患部の状態によっては、神経を除去する治療が必要になることもあります。

セラミックに合わせて歯全体を白くしたい場合は、ホワイトニングをします。

セラミックを被せる土台を作る

セラミックを被せるための土台作りをします。セラミックが入った後の歯並びや噛み合わせを考慮しながら調整します。

その後、仮歯を入れて、歯並びや噛み合わせに問題がないか確認します。

セラミックを入れる

セラミックが出来上がったら、仮歯を外してセラミックを入れます。

セラミックの前歯を長持ちさせるためには

セラミックの前歯を長持ちさせるためのポイント

セラミック自体は耐久性の高い素材ですが、長持ちさせるには患者さまの努力も大切です。

毎日のセルフケアをしっかり行う

セラミックを長持ちさせるために、虫歯や歯周病にならないように毎日のセルフケアをしっかり行いましょう。歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯の間も除去してください。

特に就寝前は丁寧にケアする必要があります。就寝中は唾液の分泌量が低下するので、細菌が繁殖しやすくなるためです。

ナイトガードを装着する

歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、セラミックが割れてしまうことがあります。就寝時はナイトガードを装着して、セラミックに大きな力がかからないようにしましょう。

噛み合わせを調整する

噛み合わせを考慮しながらセラミック治療を行いますが、口腔内の状態は変化するため、年月を経て噛み合わせが悪くなってしまうことがあります。噛み合わせが悪くなると、セラミックに大きな負担がかかるようになるでしょう。

必要に応じて噛み合わせを調整してもらってください。

定期メンテナンスを受ける

セラミック治療後は、少なくとも半年に1回の頻度で定期メンテナンスを受けましょう。セラミックの状態や噛み合わせをチェックしたり、お口のクリーニングを受けるためです。

また、定期メンテナンスを受けていれば異変を早期に発見し、すぐに対処することが可能です。

まとめ

セラミックの歯

前歯をセラミックにすると、さまざまなメリットを得られます。天然歯に近い白い歯にできるだけではなく、耐久性が高まり、虫歯や歯周病の予防にもなります。

保険診療の銀歯やコンポジットレジンと比較すると費用は高いですが、しっかりとメンテナンスしていれば長持ちするでしょう。

セラミックには、オールセラミック、ジルコニア、メタルボンドなど多くの種類があります。それぞれ特徴が異なるので、歯科医師と相談しながらお口に合ったものを選択しましょう。

前歯のセラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.02.27更新

インビザライン矯正中に虫歯になったらどうしたらいい?対処法を解説

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

虫歯の女性

インビザライン矯正中は、何もしていない状態と比較すれば虫歯になるリスクが高いといわれています。インビザライン矯正中に虫歯になった場合、治療が計画通り続けられるのか不安に感じる方もいるかもしれません。

本記事では、インビザライン矯正中に虫歯になってしまった場合にはどうしたらいいのか、その対処法について解説します。

インビザラインとは?

インビザライン治療をする女性

インビザラインとは、透明なマウスピース型の矯正装置を装着して歯並びを整える矯正方法です。2006年に日本に上陸し、治療を受ける方が増加しています。2023年時点では世界で1,600万人以上の実績を誇ります。

インビザライン矯正の対象となる歯並び

インビザライン矯正の対象となる歯並びは、叢生(乱ぐい歯)や交叉咬合、下顎前突(受け口)、空隙歯列(すきっ歯)、過蓋咬合、開咬です。状態によっては該当していてもインビザライン矯正ができないこともありますが、多くの歯並びが対象となる治療法です。

インビザライン矯正の特徴

インビザライン矯正の最大の特徴は、取りはずしができることです。これまで日本で矯正治療の主流となっていたワイヤー矯正は、一度付けたら自分で取りはずしができません。

しかし、インビザライン矯正のマウスピースは簡単に取り外せます。歯のお手入れがしやすく、食事の際のストレスもありません。

また、インビザライン矯正のマウスピースは透明なため目立ちにくく、審美的な観点からも矯正治療の負担を軽くしています。

インビザライン矯正前に虫歯が見つかったら

虫歯のチェック

インビザライン矯正前に虫歯が見つかった場合は、虫歯の治療を先に行ってから矯正治療に移ります。歯並びを放置していても悪化する可能性は低いものの、虫歯を放置していれば悪化していく可能性が高いです。

虫歯が悪化して歯を抜くことになった場合、せっかく作成したマウスピースを装着できなくなるでしょう。作り直しが必要になり、追加の費用もかかるかもしれません。

先に虫歯の治療をしておけば、虫歯の進行を気にすることなく治療を進められます。歯を削る範囲も少なくなるため、計画通りにインビザライン矯正を進められるでしょう。

インビザライン矯正と虫歯治療を同時に行う場合もありますが、矯正前に虫歯が見つかった場合ほとんどの歯科が虫歯治療を優先します。

インビザライン矯正中に虫歯になる原因

インビザライン矯正中に虫歯になる原因を考え込む若い女性

前述したように、インビザライン矯正のマウスピースは取りはずしが容易にできることから、食べ物が挟まりにくく歯磨きを丁寧にできます。そのため、ワイヤー矯正よりも虫歯にはなりくいでしょう。

ですが、完全に虫歯にならないわけではありません。インビザライン矯正中に虫歯ができる原因は、次の通りです。

マウスピースによって唾液が行き届かなくなる

インビザライン矯正では、1日20~22時間程度マウスピースを装着しなければなりません。マウスピースは歯をしっかりと動かすために、歯に密着するように作られています。

そのため、マウスピースの装着中は歯に唾液が届かなくなります。そもそも、歯は唾液の自浄作用によって汚れを洗い流しています。唾液が届かないと、自浄作用が低下するのです。

唾液には殺菌作用もあるので、唾液がうまく歯に届かないことで虫歯のリスクが高まります。

ケアが不十分

インビザライン矯正中には、主に2つのケアが重要となります。

1つは口腔内のケアです。マウスピースを長時間装着するため、唾液による自浄作用・殺菌作用を受けられなくなります。

虫歯を予防するためには、歯磨きが非常に重要です。インビザライン矯正によって徐々に歯並びが整ってきているとはいえ、まだ、歯に隙間があったり重なっていたりする部分があるでしょう。うまく歯磨きができないケースもあります。

もう1つはマウスピースのケアです。マウスピースが汚い状態のまま歯に装着し続けると、マウスピースないで細菌が繁殖して虫歯の原因になる可能性があります。

インビザライン矯正中に虫歯になったときは

虫歯の治療

インビザライン矯正中に虫歯になったときは、インビザライン矯正前と異なり、対処法にさまざまな選択肢があります。インビザライン矯正中に虫歯になったときの対処法は、次の通りです。

インビザライン矯正を中断して虫歯治療をする

インビザライン矯正を中断して虫歯の治療を優先するという選択肢です。もしも虫歯が悪化して歯を抜くことになった場合、せっかくインビザライン矯正で歯並びが整ったとしても、審美性が低下するでしょう。

治療を中断するためマウスピースは作り直しになる可能性が高いですが、治療後はインビザライン矯正がスムーズに進むでしょう。

インビザライン矯正と並行して虫歯治療をする

インビザライン矯正の場合、マウスピースを着脱できるので虫歯治療を一緒におこなえます。歯を抜くなど、歯並びが変わるような大きな治療はできませんが、少し削って詰め物をする程度の治療であれば可能です。

歯並びに大きな影響を及ぼすほど虫歯が進行している場合、この選択はできません。

応急処置のみをする

応急処置のみをして、インビザライン矯正を継続する方法もあります。虫歯の進行リスクが低く、インビザライン矯正が終わりに差しかかっている方限定の選択肢です。

インビザライン矯正が終了したら、すぐに虫歯治療をする必要があります。

インビザライン矯正中は虫歯予防が重要!

口腔ケアのアイテム

インビザライン矯正を予定通りに遂行するためには、虫歯予防が重要といえます。インビザライン矯正中に、とくに意識しておこなってほしい虫歯の予防方法は、次の通りです。

歯磨きをしっかりとおこなう

虫歯予防として最も効果があるのが歯磨きです。矯正前よりも意識して丁寧に歯磨きを行いましょう。

とくに、インビザライン矯正のときにアタッチメントを装着している場合は注意してください。アタッチメントの周りは汚れが溜まりやすいので、念入りに磨きましょう。

ブラッシングだけでなく、フロスや歯間ブラシ、洗口液も使用するとしっかりと汚れを落とせます。

歯磨きをするタイミングは、マウスピースを装着する前がベストです。きれいな歯でマウスピースをつければ、汚れのなかで繁殖した菌がマウスピース内で増殖することはありません。虫歯のリスクを低減できるでしょう。

マウスピースを清潔にする

歯だけでなくマウスピースも清潔にしておきましょう。マウスピースに汚れが溜まっている状態だと、汚れに付着した菌がマウスピースのなかで繁殖してしまいます。

マウスピースは水やぬるま湯で汚れを落としてから、ブラッシングをして丁寧にすすぎ、よく乾燥させましょう。週に2〜3回、マウスピース専用の洗浄剤を使用するとより清潔に保てます。

マウスピースをつけたまま飲食しない

食事や飲水の際にはマウスピースを外さなければなりません。飲み物を飲むだけの場合や、食べ歩きしている場合、外食する場合など、マウスピースを外さずに飲食したいこともあるかもしれません。

マウスピースをつけたまま飲食をすると、マウスピースと歯の間に食べ物や飲み物の糖分が入り込み、虫歯のリスクを高めます。虫歯予防のためにも、マウスピースをつけたままの飲食は控えましょう。

水分を摂取する

インビザライン矯正中は、口のなかが乾燥しやすいといわれています。唾液の分泌量が低下している状態のため、虫歯菌が繁殖しやすいでしょう。そのため、こまめに水分を摂って口の中の乾燥を予防することが重要です。

ただし、糖が含まれている飲み物は避けてください。

まとめ

インビザライン治療をする女性

インビザライン矯正中は、ワイヤー矯正ほどではないものの虫歯になるリスクがあります。そのため、インビザライン矯正中は虫歯予防をしっかりとおこないましょう。

インビザライン矯正中に虫歯になった場合は治療を中断しなければならない可能性があります。軽度な虫歯であれば少し処置をしてインビザライン矯正を継続できることもありますが、重度の虫歯の場合は矯正を中断することが多いです。

虫歯の治療で歯を抜いたり削ったりすると、最初に作っていたマウスピースを装着できなくなるでしょう。作り直しが必要になり、費用や時間がかかってしまいます。

インビザライン矯正を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.02.20更新

金属アレルギーでも大丈夫?安心してセラミック治療を受けるためには

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

心配する女性

金属アレルギーの方の場合は、補綴物や矯正治療の装置などを選ぶ際に気をつける必要があります。装置や素材によっては金属が使われているからです。

セラミック治療は、セラミックで作った詰め物・被せ物で行う治療のことですが、金属アレルギーの方でも受けられるのでしょうか。

今回は、金属アレルギーの症状や金属アレルギーの方が使えるセラミック、使えないセラミックについて解説します。

セラミック治療とは?

セラミック治療

セラミック治療とは、セラミックを素材とした詰め物や被せ物で行う治療のことです。詰め物・被せ物の治療で使われる素材には、保険診療の銀歯やコンポジットレジン、自由診療のセラミックがあります。

セラミックのメリットは、透明感のある白さで見た目が良いことです。硬く耐久性が高いこと、保険診療の素材と比較して虫歯や歯周病になりにくいことも挙げられるでしょう。

セラミックには、ジルコニアやメタルボンド、E-max(イーマックス)、オールセラミック、ハイブリッドセラミックなどさまざまな種類があります。それぞれ特性が異なり費用に差があるので、歯科医院で説明を受けたうえで選択してください。

セラミック治療は金属アレルギーでも大丈夫?

金属アレルギーでもセラミック治療ができるか疑問の女性

セラミックは陶材なので、基本的には金属アレルギーの方も安心して使用可能です。実際に、セラミック治療で使われるほとんどの素材はメタルフリーであるため心配ありません。

しかし、金属アレルギーの方には使用できないセラミックの詰め物・被せ物もあります。金属アレルギーの方は、治療を受ける際に必ず歯科医師に伝えましょう。

金属アレルギーの方が使用できないセラミックは、メタルボンドです。メタルボンドは、表面はセラミックで内側が金属でできている被せ物です。

通常のセラミックよりも強度が高く奥歯にも使用できますが、内側の金属の影響で金属アレルギーを引き起こす可能性があります。

金属アレルギーとは?

金属アレルギーの女性

金属アレルギーの場合、皮膚や粘膜に金属が触れることで、かゆみがでたり赤く腫れたりする症状がでます。発熱や倦怠感などの症状が出ることもあるでしょう。

アレルギー反応が出やすい金属は、ニッケルやコバルト、クロム、スズ、銅、亜鉛などが挙げられます。

歯科治療では、被せ物や詰め物だけではなく、入れ歯や矯正装置などにも金属が使用されます。そのため、歯科治療由来の金属アレルギーが引き起こされることもあります。

口の中に金属が長時間入っていると、唾液が徐々に金属を溶かします。口内炎や歯肉炎、口腔内が腫れるなどのトラブルにつながることもあります。

金属に近い部分の粘膜が荒れる、舌に白いまだら模様ができる、かゆくなる、ヒリヒリするといった症状がある場合、金属アレルギーの可能性があるでしょう。そのまま放置して重症化すると、味覚や痛みがなくなることもあるので早めに歯科医院に相談してください。

また、歯科金属が原因で全身性金属皮膚炎になることもあります。この場合は口の中だけではなく、全身に炎症や湿疹が広がります。

疲れやすくなったり、不眠症状がでたり、イライラしたり、生活に支障が出ることも多いでしょう。

「金属アレルギーはないから大丈夫」と考える方もいるかもしれませんが、今まで症状がなくてもある日突然金属アレルギーの症状が出る方もいます。

また、どの金属に反応するかは人それぞれです。心配な方は、大学病院の専門外来や皮膚科などで金属アレルギー検査をしておくと良いでしょう。

最も安全なのは、金属不使用の技工物を使うことです。詰め物・被せ物については、保険診療でもプラスチックの素材も選択できるため、金属が使われているかいないかをしっかり確認してから素材を選びましょう。

金属を使用しないセラミックはある?

金属アレルギーを使わないセラミックがあるか考える女性

セラミック治療では、メタルボンド以外は金属を使用しません。そのため、メタルボンドを選ばなければ、金属アレルギーの方も安心して治療できます。

金属アレルギーの方でも適したセラミックをいくつかみていきましょう。

オールセラミック

オールセラミックは、名前の通り100%すべてセラミックでできています。金属アレルギーの心配がないというだけではなく、艶と透明感があって非常に美しいです。そのため、前歯など目立つ部分に使われることが多いです。

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックは、人工ダイヤモンドとも呼ばれています。他のセラミックと比較して優れた強度を持つため、強い力がかかる奥歯に使用されることも多いです。

見た目は、オールセラミックにはやや劣りますが、強度の面から目立つ歯にもジルコニアセラミックを選択する方も多いです。

E-max(イーマックス)

E-maxとは、ガラスセラミックと呼ばれるバランスが良い素材です。見た目は天然歯に近く、強度についても天然歯と同程度です。

歯垢や歯石がつきにくいので、虫歯や歯周病が心配な方から選ばれる傾向があります。

ハイブリッドセラミック

ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンを混ぜ合わせた素材のことをさします。自由診療のものだけではなく、保険診療のハイブリッドセラミックもあります。

他のセラミックの素材と比べると安価であることが大きなメリットです。レジンと比較すると変色しにくく、色のバリエーションもあるため自然に仕上がるでしょう。

オールセラミックと比較すると耐久性と審美性が劣るため、審美性を追求したい方は注意しなければなりません。

金属アレルギーの方が安心してセラミック治療を受けるためには

歯医者へ相談

金属アレルギーの方の場合、歯科治療に対して不安を感じることもあるでしょう。日本の歯科治療では、虫歯治療の際に銀歯を使用するのは一般的です。矯正治療でも金属のワイヤーを使用することがあります。

ここでは、金属アレルギーの方が安心してセラミック治療を受けるために気をつけるべきことを解説します。

金属アレルギーであることを歯科医師に伝える

患者さま自身が金属アレルギーであることが既にわかっている場合は、あらかじめ歯科医師に伝えるようにしてください。そうすることで、金属を使っているメタルボンドは除外して治療の選択ができます。

銀歯やメタルボンドなど、金属で歯を補った後に金属アレルギーと判明した場合は、早めにメタルフリーの素材に交換しましょう。口内に金属がある限り、金属アレルギーの症状が落ち着くことはありません。

皮膚科の診断を受ける

金属アレルギーと思われる症状はあるけれど、大学病院の専門外来や皮膚科で診断を受けていない場合は、一度検査をしてもらいましょう。金属アレルギーと思われる症状が出ていても、実は別の病気の可能性もあります。

アレルギー反応が出る金属が特定できれば、原因金属を確実に避けて安全に治療を受けられるでしょう。

選択できる治療の費用を計算しておく

金属アレルギーの方は、金属を使用する治療が選択できません。そのため、高額な素材を選ばなくてはいけないことも多いです。事前に予算をどれくらいかけられるのかを考慮しておきましょう。

保険診療のコンポジットレジンなら安価で、金属アレルギーの方でも問題なく使用できます。

医療費控除を申請する

セラミック治療を選択する場合は、費用は1本5万円以上になることが多いでしょう。1年にかかった医療費が10万円を超えると、医療費控除の対象になります。

セラミックで歯を数本治療すると総額10万円以上になるので、医療費控除を申請すると良いでしょう。領収書が必要になるので、大切に保管しておいてください。

まとめ

セラミックの歯

歯科治療では金属の技工物が使用されることがよくあります。金属アレルギーの方は気をつける必要があるでしょう。

セラミック治療の場合は、基本的には金属不使用の素材を使います。金属アレルギーの方でも安心して治療を受けられると言えます。

しかし、金属を使用したセラミックも存在します。表側がセラミックで裏側が金属できたメタルボンドは、金属アレルギーの方は避ける必要があるでしょう。

金属アレルギーの方が歯科医院で治療を受ける際は、事前にその旨を伝えてください。治療後に症状が現れた場合は、放置せずに迅速に歯科医院に連絡しましょう。

金属アレルギーでセラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.02.13更新

スムーズな治療のために知っておきたいインビザラインと抜歯の関係!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

抜歯する医師

インビザラインはマウスピース矯正の一種です。抜歯が必要ないというイメージがあるかもしれませんが、実はそうではありません。

インビザラインでも、歯並びや噛み合わせの状態によっては抜歯が必要になることがあります。インビザラインで抜歯をすると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

この記事では、インビザラインで抜歯する場合のメリットとデメリット、抜歯が必要なケースについてご紹介します。抜歯が必要ないケースや、費用などについてもわかりやすく説明します。インビザライン治療を受けるか悩んでいる方はぜひ、参考にしてください。

インビザラインで抜歯をするメリット

抜歯する道具

インビザラインで抜歯をするメリットは、大きく分けて3つあります。

・抜歯をしない場合よりも早く歯並びが整うことがある
・仕上がりがキレイになる
・症状が重い場合でも治せる

抜歯にネガティブなイメージがあるかもしれませんが、歯並びをより美しくするための選択肢の一つです。治療期間が短くなることや、さまざまな症例を治療できるようになることなど、利点もあります。

一つずつ確認しましょう。

抜歯をしない場合よりも早く歯並びが整うことがある

歯を抜くと、歯を動かすスペースができるため治療期間が短くなることがあります。特に、1~2本だけ大きくずれている歯がある場合、その歯を動かすのに時間がかかるかもしれません。

大きくずれた歯を抜歯することで、治療期間が短縮される可能性があります。

仕上がりがキレイになる

歯並びが乱れる原因の多くは、顎が小さい、歯が大きいなど、歯をきれいに並べるスペースが足りないことです。スペースが足りないままだと、矯正治療を受けても歯はきれいに並びません。

歯を抜くことでスペースが確保し、歯並びを美しく整えるのです。

症状が重い場合でも治せる

歯がガタガタになっていたり、出っ歯だったりする場合、抜歯なしではインビザラインで治せないことがあります。インビザラインは、歯を傾けるよりも平行に動かすのが得意です。

しかし、スペースがないと歯を動かすことはできません。抜歯してスペースを確保することで、インビザラインで治せる症例の幅を広げられます。

インビザラインで抜歯をするデメリット

歯が痛い女性

インビザラインで抜歯をする場合、メリットばかりではなくデメリットもあります。

・痛みや腫れが出る
・治療期間が長引く場合がある
・食事に影響する

詳しく確認しましょう。

痛みや腫れが出る

インビザラインでは、前から4番目、もしくは5番目の歯を抜くことが多いです。小さくて抜きやすいため、抜歯後の痛みや腫れはそれほどひどくありません。

しかし、矯正治療での抜歯は健康な歯を抜くことになります。傷口が治るまでの数日間は、不快感が伴うでしょう。

また、細菌に感染しないように、口の中を清潔に保つことが大切です。

治療期間が長引く場合がある

抜歯をすると、抜いた歯の分だけ歯を動かさないといけません。歯の移動距離が短くなって治療期間が短縮されることもありますが、スペースを埋めるのに時間がかかることもあります。

食事に影響する

抜歯した小臼歯は、噛む力を分散させる役割を果たしています。小臼歯がなくなると、残った歯に負担がかかります。

食べ物を噛むのが困難になったり、健康な歯にダメージを与えたりするかもしれません。

インビザラインで抜歯が必要なケース

歯周病の女性

抜歯が必要なケースは、以下の3つに分けられます。

・歯の位置が悪い
・歯の向きが悪い
・虫歯や歯周病の歯がある

ただし、インビザラインで抜歯が必要になるかどうかは、個々の症状や歯並びの状態によって異なります。歯科医師と相談して、自分に最適な方法を選択してください。

抜歯が必要なケースについて詳しく解説します。

歯の位置が悪い

歯が生えている位置が悪いと、インビザラインで十分に歯を移動できない可能性があります。歯が前後に大きくずれていたり、重なっていたりする場合、抜歯を選択することが多いです。

歯の向きが悪い

インビザラインでは、マウスピースで歯を覆って矯正力をかけて移動させます。歯が生えている向きが悪いと、マウスピースがうまくはまらず矯正の効果が低下することがあるのです。

歯が横向きや斜めに生えていたりする場合は、抜歯したほうがスムーズに治療が進むかもしれません。

虫歯や歯周病

虫歯や歯周病がある場合も、抜歯の対象となることがあります。矯正治療をしない場合でも、虫歯や歯周病が進行して治療が難しいときは、抜歯しないといけません。

また、歯周病で歯茎が弱っている場合は、インビザラインで力がかかると歯が抜けてしまう恐れがあります。

虫歯や歯周病を治療せずにインビザライン矯正を始めても、治療がうまくいかないでしょう。虫歯や歯周病が悪化する可能性もあります。

そのため、矯正治療の前に虫歯の歯や歯周病の影響がある歯を抜歯しておきます。

インビザラインで抜歯せずに治療できるケース

歯をチェックする

抜歯が不要なケースは、以下のとおりです。

・歯と歯の間を削って対応できる
・歯列の幅を広げて隙間をつくれる
・奥歯を後方にずらしてスペースをつくれる

歯と歯の間を削る方法は、IPRと呼ばれます。歯の健康に影響を与えない範囲で削るので、基本的に痛むことはないでしょう。スペースが少し足りない場合には、この方法で対応できるかもしれません。

歯列の幅を広げてスペースを確保できる場合も、抜歯は必要ありません。この方法は、顎の成長が止まっていない子どもの場合、しっかりと効果を発揮する傾向があります。

大人の場合はあまり広げられないことが多く、IPRと併用するケースもあるでしょう。

奥歯を後ろに動かせる場合も、抜歯は必要ないかもしれません。

ただし、奥歯の後ろに骨がない場合や、親知らずがある場合は、この方法は難しいです。親知らずの抜歯が必要になることもあるでしょう。

抜歯をするタイミングとは?

抜歯をするタイミングイメージ

抜歯をするタイミングは、矯正治療の計画によって決まります。矯正治療を始める前に、医師が歯や顎の状態を診断して矯正治療の計画を立てます。その計画に基づいて、どの歯をいつ抜くかが決まるのです。

一般的には、抜歯は矯正の前に行います。スペースを作ってから歯の移動を始めることで、治療がスムーズに進むのです。

抜歯をすると治療期間が長くなる?

抜歯をすると治療期間が長くなるか疑問の女性

抜歯をする場合、気になるのは治療期間ではないでしょうか。歯の隙間がどれくらいで埋まるかは、それぞれの状況によって変わります。

一般的には、抜歯した傷は1~2週間で治りますが、その後も歯茎が完全に回復するまで矯正治療は開始できません。

治療の開始時期が遅れるので、抜歯しないケースよりも治療期間が長くなることがあるでしょう。

ただし、上述したとおり、抜歯することで治療期間が短くなるケースもあります。移動させる歯の本数が減り、移動距離も短くなるためです。

治療期間には個人差があるので、歯科医師にしっかり確認しましょう。

抜歯の費用はどれくらい?

抜歯の費用イメージ

矯正治療による抜歯は便宜抜歯と呼ばれ、保険が適用されません。歯1本につき、5,000円〜1万円ぐらいの費用がかかります。

自費診療は歯科医院によって費用が異なるので、事前に確認することが重要です。

まとめ

インビザラインのマウスピースとケース

この記事では、インビザラインで抜歯をする場合のメリットとデメリット、費用などについて解説しました。

インビザラインで抜歯をするかどうかは、個人の歯並びや噛み合わせの状態によって異なります。インビザライン治療を受ける前に、歯科医師に相談して自分に合った方法を選ぶことが重要です。

インビザライン治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

2024.02.06更新

セラミックの詰め物・被せ物が取れる原因とは?対処法も詳しく解説!

こんにちは。東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂です。

セラミックの詰め物・被せ物が取れる原因を考える女性

セラミックの詰め物や被せ物は長持ちしやすいといわれていますが、永久的に使えるものではありません。何らかの原因で、取れることもあります。

この記事では、セラミックの詰め物・被せ物が取れる5つの原因について解説しています。あらかじめセラミックが取れる原因を知ることで、詰め物や被せ物が取れることを予防できるでしょう。セラミックが取れた際に注意したいポイントや対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

セラミックの詰め物・被せ物が取れる原因

歯ぎしりする女性

セラミックの詰め物・被せ物が取れる主な原因は、以下のとおりです。

虫歯

セラミックが取れる多くの原因は、詰め物・被せ物の土台の歯が再度虫歯になることです。セラミックで治療した歯は虫歯になりにくいとはいわれているものの、歯とセラミックのわずかな隙間から細菌が侵入して虫歯になることがあります。

セラミックの詰め物・被せ物の下の歯が虫歯になると、セラミックと歯の形が合わなくなって取れてしまうのです。

歯ぎしり・食いしばり

虫歯になっていなくても、歯ぎしり・食いしばりによって負担がかかってセラミックが取れることがあります。就寝中やスポーツの際など、無意識で行うことが多い歯ぎしり・食いしばりは、普段の噛む力の約3倍(100㎏以上)の負担を歯にかけるといわれています。

セラミックに過大な負担がかかることで、セラミックが欠けたり割れたりすることもあるので注意が必要です。

噛み合わせが悪い

噛み合わせがあっていない場合、セラミックに負担がかかって取れることがあります。セラミックを装着した直後はよくても、噛み合わせは徐々に変化します。

セラミックは自分の歯よりも丈夫で硬いため、天然歯だけがすり減って噛み合わせが悪くなることがあるのです。噛み合わせが変わることでセラミックに負荷がかかり、取れることがあります。

セメントの経年劣化

セラミックの詰め物や被せ物を歯に装着する際は、専用の接着剤を使用します。接着剤が経年劣化すると、セラミックが取れることがあります。

外傷・スポーツによる衝撃

事故などの外傷やスポーツによる強い衝撃などで、セラミックが取れることがあります。

特に、サッカーや野球などの球技や、ボクシングやラグビーなどの力がかかるスポーツは、歯やセラミックに負担がかかりやすいです。スポーツ用のマウスピースを使用するなど、負担を軽減しましょう。

セラミックの詰め物・被せ物が取れたときの注意点

セラミックの詰め物・被せ物が取れたときの注意点イメージ

セラミックの詰め物・被せ物が取れた際に注意したい5つのポイントを解説します。

セラミックが取れたまま放置しない

セラミックが取れて痛みがなくても、放置するのは絶対にやめましょう。歯は外側からエナメル質、内象牙質、神経の三層構造になっています。

セラミックの詰め物や被せ物をする際には、歯を削ります。セラミックが取れたままの歯は象牙質や神経がむき出しになっていることがあり、虫歯になるリスクが高くなります。刺激も伝わりやすくなるため、放置すると歯がしみたり痛んだりすることもあるでしょう。

セラミックが取れたまま放置すると歯の寿命を縮めることにつながるため、必ず歯科医院を受診してください。

自分で付け直さない

取れたセラミックを自分で付け直すことはやめましょう。セラミックをご自身で正しい位置に付けなおすことは難しく、付け直したとしてもすぐに取れる可能性が高いといえます。

食事中に取れた場合、セラミックやご自身の歯が欠けたり割れたり、間違って飲み込んだりするおそれがあります。就寝中にセラミックが取れた場合、気道に入る危険性もあるでしょう。

中には、瞬間接着剤を使用してセラミックを付け直す方がおられますが、これも絶対にやめてください。市販されている接着剤は歯科用ではないので、人体に有害な可能性があります。

また、歯科医院で治療する際、瞬間接着剤を使用しているとうまく外れず、削って壊すしかない場合もあるのです。

取れたセラミックを確認する

セラミックが取れたら、まずはお口の中を確認し、破片がある場合は取り除きましょう。鋭利なセラミックの破片によって、口内を傷つける恐れがあります。飲み込んで喉や食道を傷つけることもあるでしょう。

セラミックや歯の状態によりますが、取れたものを再装着できる可能性もあります。処分せずに大切に保管してください。

硬いものを噛まない

セラミックが取れた歯はもろいので、硬いものは食べないようにしましょう。セラミックが取れた歯で無理に硬いものを噛むと、歯が欠けたり割れたりすることがあります。

特に、神経を抜いた後の歯はもろく、破損しやすいため注意が必要です。ナッツなどの豆類、せんべい、するめなどの硬いものは、治療が終わるまでは避けましょう。

冷たいもの・熱いものを避ける

セラミックが取れた歯で冷たいものや熱いものを食べると、歯がしみたり痛んだりすることがあります。セラミックが取れた直後は何も症状がなくても、辛いものや酸っぱいものなど、刺激物を食べることで知覚過敏のような症状が出る場合もあります。

歯科医院に行くまでは、セラミックが取れた歯で無理に噛まず、刺激が少ないものを食べましょう。

セラミックの詰め物・被せ物が取れたときの対処法

セラミックの相談

セラミックの詰め物・被せ物が取れたら、以下の方法で対処しましょう。

なるべく早く歯科医院を受診する

何も症状がないからと放置していると、セラミックが取れた歯が新たに虫歯になったり、大きく歯が欠けたりする可能性があります。セラミックが取れたまま放置せず、なるべく早く歯科医院を受診しましょう。

取れたセラミックを持参する

セラミックの詰め物・被せ物が取れた場合、欠けたり割れたりしていなければそのまま付け直しできる可能性があります。取れたセラミックは処分せず、歯科医院に持参しましょう。

取れたセラミックに強い力がかかると、変形したり破損したりすることがあります。ティッシュなどに包んで保管すると間違って捨てる可能性があるため、プラスチックなどの硬いケースに入れて保管してください。

お口の中を清潔にする

セラミックが取れた後の歯は、虫歯になりやすいといえます。歯科医院を受診するまでの間は、できるかぎりお口の中を清潔に保ちましょう。

セラミックの詰め物・被せ物が取れた歯に汚れがつかないよう、歯ブラシや歯間ブラシ・フロスなどを使用して丁寧に歯磨きしてください。

ただし、象牙質を強く磨くと神経に刺激が伝わって痛むかもしれません。痛みがある場合は無理に磨く必要はないでしょう。強く磨きすぎると歯が削れることもあるため、やさしく磨いてください。

セラミックの詰め物・被せ物を長持ちさせるためには

歯磨きする男性

ここでは、セラミックの詰め物・被せ物を長持ちさせるための方法を解説します。

毎日の歯磨きで虫歯を予防する

セラミックが取れる多くの原因は、セラミックの詰め物・被せ物の下が虫歯になることです。虫歯によって土台の歯が溶かされ、詰め物や被せ物が取れてしまうのです。

そのため、日頃からできるだけ磨き残しを失くし、虫歯を予防することが欠かせません。虫歯になりやすい歯と歯の間や歯と歯茎の境目などは、歯間ブラシやフロス、タフトブラシなどを使用して歯磨きしましょう。

マウスピースを使用する

セラミックは、スポーツによる衝撃、歯ぎしり・食いしばりなどによる負担によって取れることがあります。

そのため、サッカーやボクシング、ラグビーなど力がかかりやすいスポーツをされている方は、スポーツ用のマウスピースを使用しましょう。歯ぎしり・食いしばりをする場合も、就寝中に装着するマウスピース(ナイトガード)を使用しましょう。

歯ぎしり・食いしばりは無意識で行うので、意識して治すのは難しいといわれています。上下の歯の間にマウスピースがあることで、歯ぎしり・食いしばりによる負担を軽減できるでしょう。

定期検診を受ける

セラミックを長持ちさせるためには、定期的に歯科医院で検診を受けることが欠かせません。

定期検診では、お口全体に虫歯や歯周病がないか、噛み合わせに問題がないか、セラミックの歯に異常がないかなどを確認できます。お口全体のクリーニングや歯磨き指導も行いますので、セラミックだけでなくお口全体の虫歯予防にも効果的です。

セラミック治療に保証を設けている歯科医院が多いですが、保証を受けるには定期検診を受けていることが条件になっているところがほとんどです。セラミックが取れたり破損したりしても、保証期間内であればすぐに対処してもらえるでしょう。

セラミック治療が終わったからといって通院を止めずに定期検診を受けましょう。痛みなどの症状がなくても、3~6か月に一度は検診を受けてください。

まとめ

セラミックの歯

セラミックの詰め物・被せ物が取れる主な原因は、詰め物・被せ物の下が新たに虫歯になることです。歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの悪さからセラミックに負担がかかることで取れる場合もあるでしょう。

何も症状がないからと放置していると、セラミックが取れた歯が新たに虫歯になったり、大きく歯が欠けたりする可能性があります。そのため、セラミックが取れたら、なるべく早く歯科医院を受診することが大切です。

セラミックの詰め物・被せ物が取れたとしても再装着できる可能性があります。取れたセラミックは処分せず、歯科医院に持参しましょう。

セラミック治療を検討されている方は、東京都世田谷区経堂にある、きたむら歯科経堂にお気軽にご相談ください。

投稿者: きたむら歯科経堂

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